狐の社・二社目

カードゲーム好き限界労働者がその時々に好き勝手ゲームについて語るブログ。

【Hearthstone】クソデッキ奮闘記:クエストマリゴスドルイド

それは唐突であった。
「なんかクソデッキ組んで対戦しようぜ」
友人とはいえ他人である私には、彼が発したその言葉の裏側にどのような考えがあったのか推し量ることは困難だったが、少なくとも、深い思慮の末発された言葉でないことだけは確かだった。そしてその軽い一言が稲荷の未来を変えてしまうことになろうとは、その時は誰一人気付く由もなかった――


というわけで唐突に始まりました。クソデッキ奮闘記が。

クソデッキを組んで対戦する。なんと甘美な響きでしょう。その提案、乗らぬ道理はありません。また、その際に私の魂が叫んでいた言葉は「クエスト軸のデッキを組もう」というものでした。

大魔境ウンゴロにてリリースされたクエストカード――必ず初手に存在し、特定の条件を満たすと驚くべき報酬が手札に加わるというそれは、リリース前の期待値に比べて残念な結果であったと言わざるをえません。

 

せいぜい使われたのはメイジ、ローグ、ウォリアー、(流行度はその三つと比較すると圧倒的に下になりますが、一応シャーマンも)程度であり、多くのヒーローが「普通のデッキとクエスト軸のデッキ二種類使えて環境が多様化する」という夢を奪われ、クエストカードは多くのプレイヤーにとってコレクションの片隅で埃を被っているカスレジェンド程度の認識に成り果ててしまいました。

そして、クエスト界隈の希望の星、クエストローグはあまりにクソゲーを生み出し続けたために下方修正を受け、あっけなく凋落していきます。ウォリアーはというものの、凍てつく玉座の騎士団のリリースと共にベスト・コントロールとして君臨したプリーストに追いやられ姿を消していきました※。今や環境に残されたクエストデッキはメイジの《ウェイゲート開門》のみ。なんと世知辛い世の中でしょう。

※この間の世界選手権で久々にクエストウォリアーが姿を見せたそうです。世の中分からないもんだ

しかし、クエストには夢があります。実力はなくとも、大きな夢があるのです。クエストカードを半ばで夢を諦め死んだ目をしてサービス残業をしながら鬱々と日々の仕事をする30代後半独身男性にしてしまうか、ティーンエイジャーからの圧倒的な支持率を誇る今をときめくロックミュージシャン(海外コンサート準備中)に仕立て上げるかは私達次第。そう私達の構築力次第なのです。

さぁ、本題に入りましょう。これが私の組んだ最高のクエストデッキです。

 

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わかってる。
オーケー、わかってるよ。
君が何を考えているかくらい分かるさ。
紙束だと罵りたい気持ちはわかる。
だがそいつは少しだけ我慢してくれないか。
一時の感情に身を任せるのは良くない。
解説をさせてくれ。頼むから解説をさせてくれ。

“解説”

まぁ、見ての通りクエスドルイドです。
エスドルイドに不純物マリゴスを入れることで味に深みを持たせ、まろやかなコクと突き抜けるような清涼感の両立を目指したデッキです。

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▲うーーーーんロマンがありますねぇ!
ロマンしかねぇよと一蹴されそうだ。


とりあえずこのデッキの軸である《ジャングルの巨獣たち》の仕様解説から行きましょうか。

テキストの通りパワー5以上のミニオンを5体出せばクエスト達成。報酬は《圧倒のバーナバス》。

5マナ8/8の投げやりスタッツに加えてデッキ内のミニオンのコストをすべて0にするという、一見とてつもない能力ですが、デッキ内のみである事が最大にして大き過ぎる欠点です。手札のカードのコストは下がりませんから、どうしてもトップに頼らざるを得ない上、クエストを達成する頃にはマナは十分あるため、本当のトップ勝負になってしまうとコストを0にする能力がまったく活きないという少々困ったミニオンです。
ではこれをどう活かしてあげましょうか?

デッキレシピだけ見せてもどうせ理解されないことは(そもそもドルイドエストを使ってる時点で理解されないのにマリゴスなんて入れたら狂人を見る目で見られるだろうということは)容易に想像がつくので、手始めにどういったロジックでこのデッキを組む事になったかをお教えしましょう。

今まで見向きもしていなかったクエスドルイドを組む理由。それは最新セット、凍てつく玉座の騎士団のとあるカードに隠されています。

 

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▲ハースストーン界隈の残酷な根本原理

コスト軽減されねぇじゃん!というツッコミは野暮ですよ。
普通に使っても強いカードですが、ことクエスドルイドにおいては、クエスト達成後の弱さを完璧なまでに解消する神のカードです。

引いたミニオンはすべて0マナ!他のデッキはわざわざ忘却王クンから究極の浸食で盤面を取るとかやっているのに、クエスドルイドは撃って引いたカードを叩きつけるだけでいい!更に出てくるグールも5/5!

ちなみに、ウォリアーの《ファイアプルームの中心で》と違って「手札から」の一文がないので、《動物園の監視員》でコピーを生成したり《巨大アナコンダ》で踏み倒したり、勿論《究極の侵食》で出てくるグールでもクエストが進みます。出さえすればいいというわけですね。これ何気に重要なんで覚えておいてくださいね。

 

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▲クエスドルイドのレシピを調べてるとこの辺が入ってるのが意外と多いのはそういう事


とにかく、《究極の侵食》がデッキに加わることで、ドルイドは10ターン目以降まで勝負がもつれ込めばデッキ内のすべてのカードを引ききれるほどのドロー力を手にしました。ドロー力も展開力もあるならば、あとクエスドルイドに足りないものは何でしょう?
そう、バーストダメージです!

《自然の援軍》がナーフの憂き目にあってからというもの、どうもドルイドはバーストダメージに縁薄いクラスとなっていました。そんな中で燦然と輝くドルイドのバーストダメージデッキこそがマリゴスドルイドです。

《マリゴス》の呪文ダメージ+5と軽量火力を用いることで即死級のダメージを叩き出すデッキで、当時は《ソーリサン皇帝》を用いることでコストを減らしていたのですが、もしマリゴスのコストを0にできたならそこには無限の可能性が…?

というわけでバーストダメージ目的でマリゴスを投入。マリゴス以外とも普通に相性が良い《無貌の操り手》も投入(これもパワー5のクリーチャーをコピーすると問題なくクエストが進みます)!


優秀な軽量本体火力《生きている根》がスタン落ちで無くなったことによるバーストダメージの低下を「マリゴスを増量することで」カバー!


これにより青眼の白龍(マリゴス)を三体召喚しての青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)の召喚が可能になりました!
0マナ16点ダメージのアルティメットバーストでゲームを決めろ!!!!

 

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▲具体的にはこういう状況を目指します(無理難題)


デッキコンセプトの紹介が終わったところで、
次はこのデッキを構成するイカれたメンバーを紹介するぜ!

 

“役者紹介”


《年経たロングネック》

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このデッキの先鋒といえば彼。軽量のパワー5にして適応能力持ちであり、3/5/4、3/5/1聖なる盾などなど噛み合い次第で破格のスペックになり得るパワーカードです。序盤はロングネックにおまかせ。ごく稀にロングネックロングネックと動いてそのまま殴り勝ったりする時もあるのでバカにできません。



《マグマ・レイジャー》

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マグマレイジャー!?なぜそんなカードをプレイするのだ!?

お前のデッキはカスだな!

 

これにはラファーム御大も激怒。
3ターン目にクエストを進める動きが強いですし、あまりに序盤が弱すぎるのでこれを処理するのに2ターン目か3ターン目を費やしてくれるならまぁ良しという感じですね。パッチーズだけは勘弁な!仕方ないんですけどロングネックと並ぶと本当に悲しくなりますね。アイスレイジャーが欲しいなぁ…。
まぁでも読者の皆さんの想像の20倍くらいは強いと思いますよ。多分。

 


《シェルシフター》

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基本はクエストのために5/2隠れ身で出しますが、対アグロの際には堅牢な壁になってくれるナイスガイです。ぶっちゃけ対アグロとか最初から無理ゲーなんでアレなんですけど、シェルシフターのおかげでワンチャン出て来る場面もそれなりにあったんで侮れないやつです。究極の侵食から3/5挑発モードで出す動きも悪くないです。とにかく頭でっかち勢は守りが弱すぎるので、場面場面で臨機応変に対応できるシェルシフターは安心感がありますね。

 


《アレクストラーザ》

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バーナバス召喚に成功した頃にはこちらもボロボロになっている事も少なくないはず。

故にまずは保身を優先します。ドローカードさえ引ければそのまま0マナの汚物の群れで盤面を圧倒できるのですから、死なない事を考えるべきです。このデッキで直接的に命を引き延ばせるカードは《アレクストラーザ》《魔蝕の病霜マルフュリオン》《究極の侵食》《忘却王クン》の四種類ですが、この中で特に延命する力が強いカードがアレクストラーザです。

ライフを15にする能力は自分だけでなく相手に撃つことも多々あります。汚物が多いので相手側がちょっと日和って挑発を出さなかったりするとそのままアレク→フルパンでゲームが終わったりもします。
正に攻防一体の一枚ですね。

 


《忘却王クン》

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99%以上マナ回復の方を使います。装甲10とか使わん使わんだいたい使わん。

クンはこのデッキにおける最強カードの一角です。

0マナになった忘却王クンが絡むと物理法則を無視した異様な動き…具体的に言うと究極の侵食→忘却王クン→究極の侵食ができるようになります。メチャクチャでしょ。
また、クンを絡めることでバーナバス前に先引きしてしまったマリゴスコンボを無理矢理成立させることができるという、ある種デッキの事故防止的な役割も担っています。マリゴスと無貌2枚を全て先引きしてしまっても、クンさえ0マナなら青眼の究極竜召喚に漕ぎ着けることができるのです。
いやすごいカードですよこいつは。

 

ぶっちゃけ後のカードは分かるでしょ?

他はだいたい「強い」「丸い」くらいしか書く事ないでしょ。

よって省略。結構記事が長くなってきて私も疲れてきました。

 

 

“クソデッキ、ラダーに挑む”

 

ラダーで回さずして何が紹介か。ということで軽くラダーでも回してみました。

とりあえず30戦を目標にスタート。結果としては

 

進化シャーマン 2勝3敗

ハイランダープリースト 4勝1敗

ミッドレンジハンター 1勝3敗

アグロローグ 0勝3敗

コントロールパラディン2勝0敗

翡翠ドルイド1勝1敗

zoo 0勝2敗

ハンドロック 1勝1敗

テンポメイジ 0勝1敗

コントロールメイジ1勝0敗

ビッグプリースト0勝1敗

海賊ウォリアー 0勝1敗

エレメンタルシャーマン 0勝1敗

 

 

30戦11勝19敗。勝率36.7%。

いくらなんでもアグロに対する勝率酷過ぎだろ。

体感だと40%くらいは勝ててたんすけどねぇ…。

 

まぁラダーやり始めの時の構築は少し違っていて、友人と試行錯誤しながら冒頭で紹介した動物園の監視者とかアナコンダが混入してたりフェイトスピナーとか入れてみたりしてことごとく失敗してたんで実際はもう少し勝率高いと思いますよ(負け惜しみ)

こんだけやってまだアグロになすすべなくボコボコにされてるわけですし、(今の環境でそれをやるのは勇気のいる行動だとは思いますけど)いっその事対アグロは完全に切ってしまったほうが勝てるかもしれませんね。

 

 

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▲コンボが決まった時の気持ちよさは別格。そういうポイントにこのデッキの存在意義が凝縮されている。

 

今回は残念な結果になってしまいましたが。クソデッキというものは人間の心を掴んで離さない不思議な魅力を持っています。

 

普通のデッキに飽きてしまった方。

海馬社長のようにアルティメットバーストを撃ちたい方。

気分を変えてクエストマリゴスドルイドを回してみるのはいかがでしょうか。