狐の社・二社目

カードゲーム好き限界労働者がその時々に好き勝手ゲームについて語るブログ。

最近プレイしたゲーム、Faeriaの闇について。

皆さんこんにちは。稲荷です。
今回もまたFaeriaについて思うところを書いていきます。

 

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inari9th.hatenablog.com

前回の記事でこのFaeriaというゲームが如何に素晴らしい、可能性に満ち溢れた次世代的なカードゲームかという話をしましたが、今回はFaeriaの暗部――所謂、「ダメだった点」について語っていきたいと思います。

予防線を張るわけではないのですが、あくまで私は「ちょっとハマって遊んだ人」程度の知見と視点でこれを書いているので、やり込み派のプレイヤーの方々に「浅い」と思われてしまうのは仕方の無いものと受け入れるつもりです。

しかしこれから話す内容は、同一コミュニティ内とはいえ、それなりにゲームをやってきたプレイヤー4人全員が明らかに問題があると感じた部分である点は紛れもない事実ですので、浅いの一言で一蹴できるような話でもないと自負しております。


と、まぁ、不穏な前置きはさておき、

まず軽い問題点の話からしていきましょうか 。


最初の問題点は、“情報不足”です。
このゲーム、情報が極めて少ないんです。

ネットに転がっている情報は古いものばかりで、最新拡張(と言っても一つ目の拡張なんですけど)であるOversky後の情報は探しても殆ど出てきません。せいぜい今も現役でやっている人のブログを見たりTwitter2chで既プレイヤーからの伝聞を吟味したりとその程度でしょう。

一応海外には専用のサイトがあるようなのですが、まずメタゲームが不明瞭ですし、Oversky後は大会の絶対数が少なすぎて(プレイしていたタイミングではひとつしかそれらしいものが無かったので)大会結果を参照しようにも何が何やらという感じです。

www.faeria.com

▲Faeria版Goldfish(大嘘)


日本語wikiに至っては他の数多のカードゲームよりも遥かにカードプールが狭いにも関わらず全カードのテキストすら網羅されていない点がギャグですよね。1/3くらいのカードに個別ページが存在していないという有様。過疎ゲーかよ。

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▲まともに個別ページのあるカードが少ない…

と言ってもこれ自体はさして大きな問題でもないんです。情報がなくったって実際のゲームを起動すればカードのテキストは読めますし、むしろ完全な手探りの方が楽しめるという人だっています。

このゲームに参入する上で障害となる要素だとは思いますが、事実、私達は探しても大した情報が見つからないという状況を逆に楽しんでいましたし、情報不足は今回挙げる問題点の中では最も軽い部分です。敷居の高さというものは、本人のモチベーションで乗り越えられるものですから。


不穏な気配が徐々に濃くなっていくのを感じていただいたところで、次の問題点の話をしましょうか。
では、この画像を見てください。

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▲エキサイト翻訳かよ。

…第2の問題点。それは、ローカライズがあまりにも適当なことです。
「言うたってカードゲームをやる上でそんなセリフとか重要な要素やないやろ。イチャモンつけるのも大概にしときぃ。」と思ったあなた。
正しい事を言っているようで正しくないです。
次はここを見ていただきたい。

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▲アメリカ語だ…

こちらは最新拡張セット“Oversky”の購入画面です。Overskyはハースストーンのアドベンチャーのような、ストーリーモードをプレイしつつ新カードをもらえるという形の拡張セットなのですが、値段別に上中下のコースがありまして、上のコースだとアバタープレミアムカードが出てくるパックがついてきたり多少お得になっているわけです。

それで、この画像は中のコースの説明文です。上と下はまともに日本語化されているのになんで中だけ翻訳すらされてないの?やる気あるの?と言いたい所ですね。

そう、翻訳の質が悪いだけならまだしも、ローカライズが雑すぎてところどころ翻訳すらされていない箇所があるんですよ。こういう洋ゲーに手を出すような人種は大抵英語はできるでしょうし、自分も得意ではないにしろとりあえず読めはしますが、それでも直接的にゲームに関わる部分が翻訳されていないのはちょっとどうかと思います。

おそらく修正はされたとは思うのですが、「ランダムなカードを手札に加えるカードを使用したら突然未翻訳の英語のカードが手札に入ってきた」というコントみたいな状況にも遭遇しましたし、本当に日本語化する意味があったのか疑問が湧くレベルです。


たまにエキサイト翻訳みたいなテキストが出てくるなら笑えるのですが、一事が万事この調子なので、プレイヤーは負の感情を抱くことになります。友人はこう言いました。「日本語はストレスが貯まるから英語でやろう」と。このざまならローカライズのために費したリソースを別の事に回していた方が良かったんじゃないでしょうか。

なんというか、全体的に雑なんですよ。端々から滲み出るテキトー感が気持ちを萎えさせます。「new!」と書いてあるであろう部分に「新しい!」って出るんですよ。新しい!じゃないんだよマジで。
…これも洋ゲーではありがちな話ではあるんですけどね。

と、ここまでで三つの問題点の内二つ書いたにも関わらず、実はこの記事全体の文量の半分にも到達していません。実は私が本気で文句を言いたかったのはこの三番目の問題点であり、一番目と二番目は「まぁ良くはないけど我慢はできる」程度のものです。


Faeriaの最も大きく、深い問題点とは。
「Overskyという拡張そのもの」です。


満を持して登場したFaeria最初の拡張セット、Oversky。

それは私も、私と一緒にプレイしてくれていた友人も首を傾げるような出来でした。

カードゲームを定義するものはカードです。どれだけバランスの取れたルール、骨子を作ろうとも、実際に作られプレイヤーに行き渡るカード部分がクソを煮詰めたような出来だったならば、それは優れたルールなど何も関係なかったかのようにクソゲーに成り果ててしまいます。

私がOverskyという拡張について個人的に考えたことを要約すると、正にこうなります。
Overskyというセットはそれほどまでに、前回の記事で書いた「一味違う戦略性のある面白いゲーム」を破壊していきました。

少々回り道をする事になってしまいますが、Overskyの良くないところをより知っていただくために、少し「除去カード」のお話をしましょう。

>除去(Removal)とは、破壊や追放、生け贄の強要によってパーマネントを墓地や追放領域へ移したり、自分に害の無い状態にしたりする呪文や能力、その効果や処理のこと。
――MTGwikiより抜粋


クリーチャーやコンストラクチャー※を無力化、あるいは破壊する除去カードはカードゲームにはほぼ必ずと言っていいほど存在します。何故なら、除去カードが存在することで戦略に幅が生じるからです。
※ 初めて出てくる概念ですが、HPがあり、壊せる置物と考えてください。MTGで言えばプレインズウォーカーのような体力の概念のあるエンチャントといった所ですね。


除去カードが戦略性を深めるというのは他のゲームでもありふれた話です。例を挙げてみましょう。


「敵はこちら全体に2点のダメージを与えるカードを使える。だから手札にある体力が2のカードはあまり出さないようにしよう」


「相手の色を見るにクリーチャーを除去するカードを温存しているに違いない。だからこのターンは本命は出さずに、少し弱めのクリーチャーを出して除去を釣ろう」


「あのクラスは除去が弱いから、巨大クリーチャーをできる限り速く出せれば処理に困るだろうし、倒すために何枚もクリーチャーを犠牲にしないといけないだろうから、一気に有利になるはずだ」


カードゲームをやっている方ならば誰でもこのような考えを一度二度ならずしたことがあるでしょう 。
基本的にこういったゲームはクラスや色などの区分の中で除去が得意/苦手という特徴が存在し、プレイヤーは前述のような判断をする必要性が出てくるわけです。相手によって違った戦略を取らなければならないというのは、カードゲームの基本です。

なにゆえこのような話をし始めたかと言いますと、このFaeriaというゲームの前提に「除去が弱い」というものがあるからです。

 

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▲1体のクリーチャーを除去するのに魔力が6個必要というのはかなり重い設定。黄色は除去を上手く使える色ですが、それでもカードゲーム経験者から見ると重く感じます。

 

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▲あらゆるクリーチャーを無力化できる代わりに2マスも移動できる2/2の蛙を相手に与えてしまう呪文です。完全に無力化できるわけではありませんが、これでも超優秀と言えるカードです。

 

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▲ダメージを与える事が得意な赤でさえも、基本的には2〜4ダメージ程度しか与えられず、大型クリーチャーの処理は非常に手間取ります。


ご覧のように、Faeriaの除去はかなり弱めに調整されています。何故かと問われますと憶測で語るしかないのですが、クリーチャーを配置・移動させるというシステム上、呪文のどこにでも飛ばせるという特徴(無限の射程があると言い換えてもいいでしょう)はそれだけで大きな利点があり、そのメリット分をコストなりに上乗せする必要があったからだと私は推測しています。

では、ここまで理解していただいたところで、“Overskyの悪魔たち”を見ていきましょう。

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▲嚥下とは、嚥下を持つカードが破壊されるまで対象のクリーチャーを一時的に消し去る能力です。能力名の通り、対象を“飲み込む”雰囲気です。
つまりたったの3魔力(画像はナーフ後のためコスト4なのですが、数日前までコスト3でした)でどれだけ強いクリーチャーも約5ターン消し去ることができる…???

 

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▲相手のクリーチャー1体を嚥下した上で地形を無視して3マス動ける6/6が残る…???
こちらの一番強いクリーチャーを食われたあとにこんな化け物が残るなんて考えたくないですよね。ちなみに数週間前までは6/8でした。

 

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▲出た時に戦闘する5/4/4というだけで除去カードとして効率が良いのに自分のコントロール下で蛙が出てくる…?相手にではなく…?しかもこれアップデート前は4/6だったらしいですよ。もうめちゃくちゃ。


ちなみに嚥下も戦闘も「射程無限」です。端から端まで届きます。
コストのところの虹色のシンボルは「何でもいいから特殊土地x個」という意味です。十分な魔力があるならば、山でも池でも森でも砂漠でも何でも4つあれば水晶の花は撃てますし、8つあれば紺碧の空鯨を出せます。つまり花と鯨はあらゆるデッキに入ります。
もう一度言います。
あらゆるデッキに入ります。

つまり、あらゆるデッキがクリーチャーを配置し、移動させるという陣取りゲーム的な要素を射程無限の完全除去カードで否定してくるわけです。「そういうカードなんだから受け入れるしかないだろ」と思いましたか?Oversky無しの環境を楽しんだ後にこれらのカードを入れたデッキと実際遊んでみてください。温度差が凄まじい事になりますから。正直「なんだこのくだらないゲームは」くらいは思いますよ。マジで。

一応、嚥下しているカードは嚥下できないという制約はありますが、それは「空鯨と花に引っかからない空鯨を使いましょう」という理由付けになるだけであって、何も欠点にも制約にもなっていません。

こういうのが好きな方々には申し訳ないですが、私はこの辺りのカードを見た時に「主要なデベロッパーがチームから抜けたか、あるいはクスリでもキメながらカードを作ったんだろうな」と本気で思いました。
出来としてはそのレベルのカードだと思います。

Overskyの問題点はそれだけではありません。
先ほどご説明しました、「虹色のシンボル」はOverskyで加わった新たな概念なのですが、デベロップ側はこれを適正よりもあまりに軽く考えすぎていました。
「森が4つ必要」と「特殊地形なら何でもいいので4つ必要」では当然のように後者の方が色拘束が緩いと考えられます。後者は何色のデッキでどんな特殊地形を作ろうとも満たせる条件だからです。

これに関してはマジック・ザ・ギャザリングも似たようなものを出しているので、前例があります。混成マナと言って、「特定の2色ならどちらでも支払えるコスト」というものです。
発想自体は面白く柔軟性に富んだものだったので、ユーザーには受け入れられ、人気を博したのですが、混成マナのカードが単色のカードよりも強いのはおかしいとしばしばユーザー間で物議を醸したメカニズムでもあります。

Faeriaの開発もその辺りをある程度心得てはいたのでしょう、虹色シンボルの必要数は基本的に普通のシンボルよりも大きめに設定されており、色拘束として強めに機能しているように見えました。

しかし、それでもまだ足りなかったのです。いや、コストに関しては適正だったのかもしれません。使用できるマスに限界がある以上、特殊地形6だの7だのよりも更に強い色拘束を求めるのはゲーム的に無理があります。

むしろ「特殊地形を6やら7やら求めているんだからこれくらいやっても許されるだろう」の、能力側の許されるラインの見積もりが甘かったのです。
そういったわけで、最悪の形でfaeriaはマジックと同じ轍を踏む事となりました。


これに関しては先ほどの空鯨、花、カエルの三人衆も該当するのですが、もっと酷いものがありますので、皆さんもご一緒に石を投げましょう。

 

 

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思ったより長くなったのでまだ続きます。